1. HOME
  2. 投稿
  3. ブログ
  4. ⑯「遥拝所」を深掘りします

⑯「遥拝所」を深掘りします

日本遺産29のストーリーの中に入っている「冠着神社と遥拝所」について,何回かに分けて地元の方が詳しく説明をします。今回はその第1回です。地元では遥拝所(歴代からの正式な名称は、姨捨山遥拝殿。絵図参照)の設置されている郷嶺山(ごうれいやま)を,観月孝子公園と言っています。

観月孝子公園

郷嶺山の「観月孝子公園」は、観月の聖地であるとともに、姨捨孝子観音が鎮座しており、老人の知恵と親孝行者の里の拠点である。また、霊峰冠着山頂上の冠着社の里宮を参詣することができる。園内には、さらしなの里「展望館」があり「そば処」として、さらしな蕎麦など有名なそばを頂くことができる。

(1)観月と和歌や俳句愛好家の聖地

姨捨山(冠着山)を詠んだ和歌に、「わが心なぐさめかねつさらしなや姨捨山に照る月を見て」(よみ人しらず)〈古今和歌集905年編纂〉がある。

この歌のインパクトが強烈であったため、古代都人に月と棄老についての独特のイメージを形成させ、「姨捨山」と「さらしな」は、歌枕としての地位とブランド性を獲得した。

今日、月の都「さらしな」の里は、冠着山(姨捨山)の裾野に広がる千曲川の西地区全域を指しているが、かつては、冠着山のおひざ元である旧更級村が中心であった。そのことから、明治時代の中頃、旧更級村初代村長の塚田小右衛門らの働きかけによって、郷嶺山、長楽寺周辺と並び称される観月と和歌や俳句愛好家のメッカとなっていった。現存する更級観月殿、句碑や歌碑が往時を偲ばせている。また、平成17年、地元の有志によって「観月会」が復活し、毎年中秋の名月には盛大に行われている。

さらしなルネサンス

関連記事