冠着山と姫ボタル
7月22日、冠着山登山を兼ねて姫ボタルを鑑賞しました。
「冠着(かむりき)山」とは?
千曲市では大変馴染み深い山・標高1,252mの 「冠着山」は、昔は「姨捨(おばすて)山」と呼ばれていました。古今和歌集(平安時代)にある「わが心 慰めかねつ更科や 姨捨山に照る月を見て」の「姨捨山」は、この「冠着山」のことです。(現在は長楽寺周辺一帯を「姨捨の山」と呼んでいます) 。また、「冠着山」は、神代の昔「天の岩戸」を背負って天高く翔けてきた「手力男命(たじからのおのみこと)」が、この峰のあまりの美しさに、ここで一休みして冠を着け直したという伝説の山です。
冠着山 登山コース
18:15 出発。途中休憩を入れながらゆっくり進みます。日中は35°Cと記録的な暑さでしたが、山では爽やかな風と下界の風景に癒されました。
頂上の少し手前、西側には展望箇所があります。幾重にも重なる 連峰は壮大で神秘的でした。
19:00 冠着山の頂上に到着。少し霧がかかっていましたが、次第に晴れてきました。
19:40 暗くなって姫ボタルが見え始めました。蛍が逃げないよう、懐中電灯には赤のセロハンを巻いて光を弱めて使いました。姫ボタルの光りは黄色く鋭く明るい光りながら、それが小さくて一瞬です。音もなく真っ暗闇の中で光の点滅が舞う様子は神秘的でしたが、瞬間の撮影は至難の業でした!断然肉眼の方が色鮮やかです。肉眼の何と素晴らしいことか!、、、今日はそう思いました。
20:10 霧がすっかり晴れて、善光寺平の夜景がひと際鮮やかに浮かび上がると、思わず周りから感嘆の声が上がりました。澄んだ夜空の星もロマンチックです。
20:30 冠着山下山 出発。下山の途中も姫ボタルに出会えるので、懐中電灯の赤のセロファンを着けたまま降りました。暗闇の中で転ばないように気を付けながら何とか撮った写真は、セロファン効果で超幻想的です。
21:05 鳥居平駐車場に無事到着。
姫ボタルは生息数が少なく準絶滅危惧種とのことですが、そのホタルが伝説多き「冠着山」に住みつくとは、何か不思議な縁を感じます。「冠着山」の環境が維持され、今後も姫ホタルの生息密度が高まってくれるよう期待しています。(ボランティアガイド楽知会)