挑戦し続ける
信州さらしな月の里唄実行委員会 並木眞人さん
千曲市には地域を元気にしようと各々の強みを生かして活動をする団体が多数あります。
そのなかで、踊りを中心に地域を活性化しようと取り組んでいるのが「さらしな月の里唄実行委員会」です。
この団体を立ち上げ運営している並木眞人さんに、活動をはじめた経緯、さらしな月の里唄とは何か、これまでの活動の思い出と活動を続けてこられた理由などをお聞きしました。
月の都へのおもいを語る
活動を始めた理由について教えてください。
私はもともと千葉の生まれです。妻の実家が東御市にあること、1998年の長野オリンピックの際に長野勤務になったことをキッカケに千曲市に移住しました。
若い頃は日本大学の芸術学部に通い映画の勉強をしました。また、働いているときも音楽プロデュースをしたりと音楽や演出に関わることが好きだったので、千曲市でもなにか地域の魅力を発信することができないかと考えていました。
現在の取り組みの背景には、並木さん自身の音楽や演出が好きという思いと経験があったのですね。
では、そこからなぜ、さらしな月の里唄実行委員会は立ち上げることになったのでしょうか?
1980年代に富山市八尾町のおわら風の盆が話題になったことがありました。
もともと歴史ある行事ですが、NHKでドラマ化され、石川さゆりが関連する歌を発表したことで観光客が増えたというニュースを見たんです。舞曲でまちづくりができるのかと思い、そのことがずっと頭の片隅にありました。
そして約10年前に、おわら風の盆を規範とする趣旨に賛同するメンバー4人で、さらしな月の里唄実行委員会を立ち上げ『信州さらしな月の里唄』をつくりました。
おわら風の盆の成功にインスピレーションを受けて活動を始めたんですね。
現在では、信州さらしな月の里唄はいろんなイベントで踊ったり、動画で踊りを発信したりしていますが、これまでの活動を振り返り印象的な思い出はありますか?
立ち上げ当初から今日までの間に、さらしな月の里唄&月のイラストロゴ入りの着物を35名余りの共鳴者が購入してくださっています。
メンバーの多くは女性で平均年齢はおよそ65歳ですが、これだけ多くの人が活動に参加し続けてくださっているのはとても嬉しいことです。
メンバーとはさまざまな場所で踊ってきましたが、2年前に戸倉上山田温泉夏祭りのポスターに私たちの踊りの写真が掲載されました。これも嬉しかったですね。
信州さらしな月の里唄は、万葉人に歌われた更科の月をモチーフに、千曲市の名所旧跡に四季折々の風物詩を織り込んだ12分にわたるオリジナル舞曲だとお聞きしました。
これだけの作品はつくるだけでも大変だと思いますが、多くの人を巻き込みながら10年以上活動を継続しているのはとてもすごいことだと思います。
なぜ活動を続けることができるのでしょうか?
あまり思いとか秘訣というものはないんですが…笑
ただ一つ言えるのは、全国にはさまざまな踊りがありますよね。そして千曲市には人々を惹きつけるさまざまな地域資源があります。これらは小説や音楽、ドラマなどなんでもいいのですが“インパクトある大きな仕掛け”をしないと、今の時代にはダメだと思っています。
私も、コツコツと踊りを続けるだけではダメだと思い、広めるために動画で発信したり小説を書いたり、銀河鉄道桑ノ原という新たな駅を姨捨駅近くにつくる取り組みなどを行っています。
昔から新しいことにチャレンジしたい性格なので、今後もインパクトを与え地域のためになる取り組みにチャレンジし続けたいですね。
並木さんが仕掛けるまちづくり活動には、音楽・演出・動画・小説など総合芸術である映画を学んだ並木さんだからこそできる要素がたくさん詰まっています。
さらしな月の里唄の動画と関連する小説は下記のURLから見ることができます。興味関心のある方は、ぜひご覧ください。
Webサイト:https://www.sarashina-tsukisatouta.com/index.html
連載小説「月の花挽歌」: https://www.sarashina-tsukisatouta.com/novel.html
観月祭と棚田姫披露 動画:https://youtu.be/B2lHnERls1k