1. HOME
  2. 月の都に生きる
  3. 月の都への思い

月の都への思い

株式会社幾久屋 馬場條さん

千曲市にはさまざまな団体に所属しながら、個人でも地域をよりよくする活動を行っている人がたくさんいます。今回はその中でも多くの方から推薦の声が上がった、株式会社幾久屋の馬場條さんにお話しを伺いました。

月の都へのおもいを語る

僕は1945年に更埴市(現千曲市)で生まれました。
25歳のときに株式会社幾久屋の代表取締役になってからは、青年会議所理事長、PTA会長、ライオンズクラブ会長などありとあらゆる役職をやってきました。
自分でやりたいと手を挙げているわけでないのですが、なぜか役が集まってくるというか…

当時は地元は何もないところだなと思っていましたね。ただ青年会議所の頃にあんずの里を盛り上げたり、森将軍塚古墳を盛り上げたりする活動に関わることで、少しずつそのおもしろさは感じるようになりました。今も昔も気が付いたら役職に就いて関わっているという感じでしょうか。

本業はガラス屋ですが、こちらのほうでもありがたいことに評価していただいています。2015年に長野県産業功労者として県知事表彰を受賞、しあわせ信州では県内第1号に選ばれました。
独自開発したサンルームを売る際に意識しているのは、自分は空気を売っているのだということです。形ではなく、その場所にいることで感じられる雰囲気や自然それらすべてを含む空気を通して皆さんに喜んでいただきたいと思っています。

この地で生まれ地元で仕事をしてきた馬場さん。さまざまな地域の役職を務めてきましたが、地域活性化の活動を本格的に行い始めたのはそう昔ではないといいます。
今日までに行ってきた取り組みや思いをお聞きしました。

およそ15年前、屋代高校の先生と話す中で、姨捨の棚田に鏡を用いて月をたくさん映すという取り組みをしました。
当時、学校のフットワークは軽かったので生徒も巻き込み科学的なことも学び実践しながら月を水面に写したんです。そうやってできた学校とのつながりは近年も続いており、6年前には共に取り組みを行った学生が観光甲子園に出場しました。

最近では自分が語り部となってこの地にまつわる歴史や文化をさまざまな場所で話しています。
ハッキリ言うと、この地域は自然も景観も中途半端です。もっと美しいところはありますし、もっと人を惹きつける場所もあるでしょう。

では、この千曲市の何がすごいかと言えば、やはり「文化」です。
更科は日本文学の歴史と文化をつくったといっても過言ではありません。つまりこの地の文化は世界に誇れるものなんです。大学の先生に話を聞いたり自分で学んでそう気が付いたとき、「もっと多くの人にもこのことを知ってほしい」と思いました。

千曲市の魅力を知るためには「学ぶ」ことが必要不可欠です。
学ぶことで他とは異なる価値がこの地にあり、素晴らしい文化があることがわかります。なので語り部として歴史や文化を話したり、再帰では高速上り線の姨捨SAに個人的なつながりで月の都について解説するブースを設けたりしています。

僕は取り組みを行う中で「理念」や「ロマン」を大切にしています。
理念やロマンのもとで人と話をすると、うまくいくような気がしますし、いい人が周りに集まってきます。理念やロマンの大切さも若い頃にいろいろなセミナーに参加して学んだことがもとになっています。やはり長年、学んできたことが歳を重ねて役に立っている気がしますね。

 

馬場さんはインタビューの最後に、自身が扱うガラスの強さ、そして魅力についてお話してくださいました。馬場さんによればガラスの強みは、長持ち、透明性、耐久性などだと言います。

 

インタビューを通して感じたのは、ガラスを扱う馬場さんの取り組みは、そのものずばりガラスだということ。短絡的ではなく長期的に地域のためになる取り組みを、壁を作らず多くの人とつながる透明性、そして時間や地域を超えてこの地域が愛されるための耐久力ある仕掛け。
馬場さんは仕事と地域での取り組みがリンクしているからこそ、理念がぶれることなく今日まで走り続けてこられたのだなと感じました。

 

株式会社幾久屋サイト http://www.kikuya-uu.jp/