上田市の日本遺産巡り(2)
『日本遺産「月の都 千曲」ガイド養成講座』の一環で、11月15日、上田市の日本遺産を巡るバスツアーがありました。先のブログ(1)に続き、今回(2)では、昼食を挟んだ③前山寺 ④中禅寺の見学を記録に残しました。(写真:前山寺の三重塔)
鎌倉時代、塩田北条氏が居を構えたこの塩田平には、当時を偲ぶ文化財が数多く残され、文化財の宝庫です。
非常に貴重な木像や、古いお寺は塩田平の地にしっとり溶け込み、歴史の重みを感じました。
③前山寺 11:30 着(上田市前山)
前山(ぜんさん)寺は真言宗のお寺で、空海上人(弘法大師)が開山したといわれ、塩田北条氏の祈祷所ともなりました。
前山寺入り口の「冠木門」(下の地図➊)から参道(約100m)を歩き、「山門(薬医門)」❷をくぐると、左手に本堂❸があります。 参道の一直線上の、本堂より一段と高い所に、三重塔 (国重要文化財)➍が建っています。
・前山寺三重塔(国重文化財)―『未完成の完成塔』
三重塔は「前山寺境内図」のように、山門(薬医門)をくぐった、その一直線上に建っています。(多くは一直線上に「本堂」があるのが普通なので、この配置は非常に珍しい。)
室町時代後期に建立され、和様・禅宗様の折衷様式の塔です。この塔の建つ位置もさることながら、塔の二層、三層には扉や窓、廻縁もないので、未完成ではないかと思われ、「未完成の完成塔」として有名です。木組みの見事さに感動するばかりです。
昼 食 12:40~13:15
レストラン「きのこむら深山」(上田市前山)
予定より遅れて到着したこともあり、食事時間は短くなりました。コロナの規制緩和が手伝ってか、とても混んでいました。
④ 中禅寺 13:30 着 (上田市前山)
中禅寺は創建が9世紀ですが、現本堂は江戸時代に再建されたものです。 境内には「薬師堂」はじめ、「木造金剛力士像」、「薬師如来像」など多くの文化財が見られ、日本遺産構成文化財ともなっています。
・仁王門の金剛力士像(県宝)
「薬師堂」へ行く手前にある門が「仁王門」です。両側に信州最古(平安時代)とされる金剛力士像(県宝)が並びます。
薬師堂の仁王門(両側には仁王様の像)
・薬師堂(国重要文化財)
中禅寺の薬師堂は鎌倉時代初期(約800年前)に建立したと推定され、中部日本最古と言われています。重厚な屋根と荘厳なたたずまいに身の引き締まるような美しさがあります。中には薬師如来座像が安置されていますが、これも「国重要文化財」です。
薬師堂説明板
薬師堂内座像説明板
上田市の「信州上田・塩田平」が日本遺産に認定されたのは、千曲市「月の都・千曲」の認定と同時(2020年)です。上田市では日本遺産指定の文化財に対し、従来の説明とは別に、それぞれに真新しい説明案内板が建てられ、文化財が一層強調されたイメージでした。
中尊寺内、金剛力士像の説明板
この後、バスは別所温泉方面へ。 北向き観音堂と安楽寺を見学しました。
上田市の日本遺産巡り(3)をご覧ください。
(ボランティアガイド楽知会)