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千曲市との出会い

吉川忠英さん

今回お話を伺ったのは、アコースティックギターの第一人者である吉川忠英さん(以下、忠英さん)です。
忠英さんは、有名アーティスト(福山雅治、イルカ、松任谷由実など)を中心に、レコーディングやコンサートに関わっていることでも知られています。

 

千曲市のまちづくりや活性化に関わるのは、市内の人だけではありません。
忠英さんは、千曲市姨捨にある長楽寺で2010年からライブを行っています。2014年には地元のフォークソンググループ「さらしな棚田BAND」とコラボして「棚田姫」という楽曲を作成。
そんな忠英さんに、千曲市との出会いや長楽寺でのライブへの思いなどをお聞きしました。

 

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月の都へのおもいを語る

千曲市との出会い

千曲市との出会いは、十数年前に信州ツアーをやりたいなと思い演奏できる場所を探していたときのことです。
知人に「千曲市にピアノがあってライブができる漬物屋さんがあるよ」と聞きました。そこで漬物屋である木の花屋さんに電話したところ「すみません、うちはジャズかクラシックしかやっていないんです」と。

そのときは諦めてそれっきりだったのですが、少しあとに松本市でライブをしたとき、木の花屋さんの宮城恵美子さんが会場に偶然来ていました。「あのとき電話をもらったものですが、覚えていますか?」と。偶然の出会いから言葉を交わしたのち「じゃあ、千曲市でライブをやりましょう」という話になりました。
宮城さんとは現在でも長楽寺でのライブを開催しているので、長い付き合いですね。

木の花屋さんでライブをやろうという話になってから、こちらも現在でも親交のあるさらしな棚田バンドの皆さんが私のことを知ってくれていたこともあり、音響等サポートしてくださり、無事にライブは成功しました。それが縁で、今日まで千曲市でライブをするようになりました。

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長楽寺との出会い

私はこれまで長楽寺で80回以上 満月ライブを行ってきました。その始まりのきっかけも宮城さんです。
以前から軽井沢で中秋の名月の日に、ムッシュかまやつや加藤和彦と一緒にライブをしていました。あるとき、それを知った宮城さんが「千曲市に満月がとてもきれいな場所があるから、そこでライブやりませんか?」と長楽寺を紹介してくれました。

はじめて長楽寺を訪れたとき、松尾芭蕉の句碑を始めさまざまな歌が読まれていたことを知りました。「ここでライブをしてみたいな」と思い話しているうちにトントン拍子で開催することに。

では、この千曲市の何がすごいかと言えば、やはり「文化」です。
更科は日本文学の歴史と文化をつくったといっても過言ではありません。つまりこの地の文化は世界に誇れるものなんです。大学の先生に話を聞いたり自分で学んでそう気が付いたとき、「もっと多くの人にもこのことを知ってほしい」と思いました。

長楽寺は檀家さんがいないお寺でお墓もないので、収入が無く厳しい状態にあると聞き、私たちは音楽でサポートできたらと思い、毎月のライブの収益を寄付することにしました。
何年かライブを続けているうちに御開帳があり、寄付した収益などを使っていただき、御開帳の際にイベントもできました。

 

千曲市への思い

私は都会で暮らしていますが、根がカントリーボーイなんです。田んぼや畑、川を見るのが好きで森の中でライブをやったりもします。都会がそこまで好きではないので、千曲市に来るとホッとするんです。思わず「ただいま」と言ってしまう。
迎えてくれる地域の人たちも良い意味でシャレていない。そんな恵まれた環境で、満月の日に景色を眺めながらギターが弾けるのは最高ですね。私はこの景色が大好きです。

そんな千曲市が日本遺産に登録されたと聞き、嬉しく思います。

千曲市は農業が盛んですよね。ぶどう、あんず、米など土を掘り返して美味しいものをつくるためにみんなが頑張っている。
農業は元々孤独な作業で、一生懸命ひたすらに続けることで実りがありますが、ギターも農業に似た部分があります。孤独にコツコツ練習しないと上手にならないんです。
コツコツ地道に続けるのは大変ですが、この美しい景色をつくっている農業を若者が引き継いでくれたらいいなと思います。

 

これからの千曲市とのつながり

新型コロナウイルスの流行が落ち着いたら、また以前のように毎月ライブのために来たいですね。私が来れないときは他の人がライブをするのも良いので、長楽会は毎月行いたいと思っています。

 

忠英さんはコロナ禍にもオンラインで演奏を配信するなど積極的に活動を続けています。新型コロナウイルスが落ち着いたら、また以前のように長楽寺に集まり、忠英さんの演奏を聴きながら、月の都の満月を眺められるのがとても楽しみですね。

 

吉川忠英さんの詳細な情報は以下のページをご覧ください。
https://chuei-yoshikawa.com/